とある女性(´ω`) 6
「彼女はユダヤ人だから」という陰口を平然と口にする祖父母。
妻と両親との間で板挟みになって強硬な態度が取れない父。
母方の親族のうちにはホロコーストで命を失くした人も何人もいる。
そういうことを家の中では誰も表立って話題にしなかったが、沈黙は時に雄弁を上回るほどの説得力をもって幼い心に作用する。
こうした経験を経て自分自身は「私はカトリックでもユダヤ教でもない、ただフランス人なだけ」というふうにアイデンティティーを確立していったが、同時にユダヤ人であるということの重さや不便さを、彼女は自らの体験を通じて痛いほどよく知っていたのでした。
そしてそうであればこそ、「宗教の違いを乗り越えて」などというきれいごとのお題目には「まるで懐疑的」なのでした。